最近は寒くなってきましたね。
家から出るのも段々と億劫になってくる冬がやってきます…
そんな冬こそ、家に引きこもってギターと遊びましょう!!笑
まあ、夏は夏で「暑いので、涼しい室内でギターを…」と思ってしまいますが、
やはり冬は誰しもコタツでごろごろしがち。
しかーし!
ギターがあれば、退屈な引きこもり生活 in Winterも楽しく過ごせてしまいますね!!
ところで。
あなたのギター、弾きやすいですか??
あなたがFコードを綺麗に鳴らせないのは、
なんだか思うように音が出ず弾きにくいのは、
もしかしたらギターのセッティングに原因があるのかもしれません。
今回は、ギターの上達に大きな影響をもたらす「ギターのセッティング」について書いてみました。
目次を見ていただくと分かると思いますが、かなりボリューミーな記事になっています(笑)
特に、ギター初心者の方、必見ですよ!!
弾きやすいギターと弾きづらいギター
楽器屋でいろいろなギターを試奏したり、
友人のギターを借りて触ってみたりすると分かるのですが、
「弾きやすいギター」と「弾きづらいギター」が存在します。
あなたは、これらの違いを生み出す原因とは何なのか、分かりますか?
まあ、実際のところ「弾きやすい」とか「弾きにくい」とかいうのは、個人の感覚なんですよね。
その人が弾くジャンルによっても、弾きやすい・弾きにくいの定義は変わるでしょうし、同じジャンルを弾くギタリスト同士でも、意見が分かれることがあるでしょう。
ただし、「弦を押さえて、弾く(はじく)ことで音を鳴らす」というスタイルはどのジャンルでも共通していることなので、「弾きやすいギター」を定義することはできるかと思います。
弾きやすいと感じる要素
さて、「弾きやすいギター」とは、どういった要素を持つギターでしょうか?
結論から言いますと、「手にフィットする」という要素こそが最も大切です。
「フィットする」ということは、
●あなたの手のサイズにピッタリ合う
●あなたの弾き方にピッタリ合う
ということです。
無理な力を使わない状態で弾けるギターの方が楽に弾くことができますよね。
あなたの体格や演奏スタイルから、
●購入時点で、より自分の手に合うギターを選ぶ
●購入後に自分仕様にセッティングする
上記の2点を実行して、弾きやすいギターで練習をするだけで、ギターの上達スピードは格段にアップします。
購入前に見るべき「弾きやすさ」
まず始めに、「弾きやすいギター」に出会うために、購入するときに意識して見ておくとよい点をご紹介します。
これからギターを買う人や、セカンドギターを考えている人に。
スケール(長さ)
ここでいうスケールとは、音楽理論における音階のことではなく、
ナットからサドルまでの長さです。
ネックの長さと考えるのがよいでしょう。
「え!ギターって、みんな長さ一緒じゃないの!?」
そう思ってしまいますよね。
そうなんです。
ギターには、いくつかの大きさ(スケール)があります。
エレキギターの有名どころでいうと
●ロングスケール…ストラトキャスター/テレキャスター
●ミディアムスケール…レスポール/SG
●ショートスケール…ムスタング/ジャガー
といった感じですね。
ナットからサドルまでの長さが変化するということは、弦の長さが変化します。
それに伴い、フレット間の幅も変わるのです。
フレットとフレットの距離が狭いということは、それだけ指を開く必要がないということですよね。
そのため、指のストレッチが必要となるコードも若干押さえやすくなります。
また、スケールが短いと弦の張力が弱くなるので押さえやすくなるんです。
特に、「手が小さくてコードが押さえにくい」という人には、ミディアムスケール/ショートスケールのギターをおすすめしたいですね。
「弾きやすいならば、みんなショートスケールでいいんじゃない?」
と思ってしまいますが…
やはり、それぞれにメリット・デメリットがあるのです。
ロングスケールの場合、その張力により低音域にハリが出ます。
反対に、ショートスケールでは張力が弱めなので、迫力に欠けるように感じる場合があります。
また、スケールが長いギターのほうがチューニングが安定しやすいです。
そのため、演奏性ではショートスケールに圧倒的な魅力を感じますが、ロングスケールのギターも捨てがたい。
PRS(Paul Reed Smith)等は、ロングスケールとミディアムスケールの中間の長さを採用しているモデルもありますので、ぜひ様々なスケールのギターを比較してご自分に合うギターを探してみてください。
ネックの厚さ・太さ
より力を込めずに弦を押さえるためには、
●より薄く
●より細い
握り込みやすい形状のネックのギターを選ぶことも重要です。
特に、メタル系などの速弾きフレーズに対応しなければならないジャンルの場合、薄いネックのギターのほうが速いフレージングに対応しやすいです。
王道はIbanez RGシリーズやJacksonのギターなどでしょうか。
しかーし!!
ネックの厚さ・太さにも、これまたメリット・デメリットがありまして。
ネックが薄すぎると、音が響く木材の体積が小さくなってしまうため、音が薄くなってしまうのです。
ペチペチ・ペラペラとした、広がりに欠ける音になってしまいます。
これも、音と演奏性の兼ね合いを考えながら、ご自身の好みで。
ただ、エレキギターの場合はアンプやエフェクターでの音作りで修正が効く部分もありますね!
購入後のセッティングによる「弾きやすさ」
今回の本題はここからですね。
ギターは、セッティング次第でかなり弾きやすくなります。
これは、アコースティックギターでもエレキギターでも同様で、買ったときのデフォルト状態よりも格段に演奏性がアップすることがあります。
今あなたの手元にあるギターをより弾きやすくするためには、どのようにセッティングするべきなのでしょうか。
弦高を調整する
弦高とは、文字通り「弦の高さ」のことです。
一般的に、12フレット地点でのフレットから弦までの間隔を指します。
弦高を決める要因は3つ。
●サドルの高さ
●ネックの反り
●ナットの溝の深さ
この3点を適切な状態に調整することで、あなたのギターの弾きやすさは格段に改善されますよ!
フレットから弦までの間隔が広すぎると、押さえにくいギター・弾きづらいギターになってしまいます。
弦高が低いほうが、より楽に弦を押さえられることは容易に想像がつきますよね。
弦高が高い場合のメリット・デメリット
■メリット■
● 弦の張力が強くなるため、音のコシ・存在感が増す
● フレットから離れる力が働き、音の切れが良くなるため、カッティングなどのプレイに適している
■デメリット■
● 弦の反発が強く、弦を押さえる際に握力を要する
● チョーキングがしづらい
● 弦高の高さ故に開放弦をミュートしてしまい、開放弦を使うフレーズが弾きづらい
弦高が低い場合のメリット・デメリット
■メリット■
● 弦を押さえる際に力を必要とせず、速弾き・タッピング等のテクニカルなフレーズを弾きやすい
● テクニカルなフレーズでなくとも、とにかく弾きやすい
■デメリット■
● 弦の張力低下により、音のコシ・迫力に欠ける
● 弦高が低すぎると、関係のないフレットに弦が触れてビリビリとした雑音(ビビリ)が鳴る
⇒サスティン(音の長さ)に悪影響を及ぼす
こちらもまた、演奏性と音との兼ね合いで、もっとも適したポイントにセッティングすることが大切です。
アコギのサドル調整方法
アコースティックギターの場合、サドルを取り外し、底面をヤスリで削ることによって、弦高を下げることができます。
基本的に、まずはナットよりもサドルで調整することが多いです。
アコギのサドル・ナットの素材は牛骨や人口象牙ですので、案外カンタンに削ることが可能。
しかし、当然ながら削りすぎると元には戻せないので、十分に注意しましょう。
しっかりと目安の位置にマーキングしてから、少しずつ削っていくことをオススメします。
【ポイント】サドル底面が平面になるように削ること!!
※ものすごく重要です※
サドルは、ブリッジに弦の振動を伝え、アコースティックギターのボディに反響させる大切な部品です。
そのため、サドルがブリッジにピタッと付いていないと、ギターの「鳴り」が悪くなってしまいます。
手先の器用さに自信が無い方は、楽器屋さんに依頼することをオススメします!
ちなみに、アコギの弦高の目安としては
「12フレット地点で6弦側が2.5mm程度、1弦側が2.0mm程度」
が最適と言われています。
エレキのサドル調整方法
エレキギターの場合は、六角レンチやペンチなどの一般的な工具でサドルの高さを調整できるようになっています。
ギターの種類・ブリッジの種類によって調整方法が異なります。
大きく分けると、
● ストラトタイプ
● レスポールタイプ
● フロイドローズタイプ
といったところでしょう。
お持ちのギターに合わせてリサーチしてみてくださいね!
エレキの場合は、弦を張った状態でもサドルを調整可能なのが嬉しいポイントですね。
ネックの反りを直す
ギターには弦が張ってありますよね。
ギターのネックには、想像以上にかなり大きな力がかかっています。
私たちが両手でギターの弦を引っ張って誰かに弾いてもらったとしても、おそらくギターのようなハリのある音はなりませんよね。
そう考えてみると、ギターのネックにかかる負担はかなり大きなものであることが分かるでしょう。
この尋常ではない張力に耐えるために、ギターのネックには「トラスロッド」と呼ばれる鉄の棒が入っています。
ネックを矯正するための調整用部品ですね。
弦の張力とトラスロッドによる矯正力が釣り合った状態で、ネックが真っ直ぐに保たれていることが理想的です。
この二つの力が釣り合っていないとき、ネックに「反り」が生じます。
ネックの反りには
● 順反り…弦の張力に負けて反っている状態
● 逆反り…弦の張力とは反対の方向に反っている状態
の2通りがあります。
理想は真っ直ぐの状態ですが、
若干の順反りでもOKです。
逆反りの場合は音のビビリに直結しますので、今すぐに直しましょう。
ネックが反っているかどうかを確認するには、
「必ず弦を張った状態で」
ギターの弦を上に向けて、地面と水平にして持ち上げ、
ヘッド側・ブリッジ側の両面からネックをのぞき込むようにして確認します。
※弦の張力がかかっている状態で真っ直ぐにしたいので、弦を張ったまま確認します※
ネックの状態が確認できたら、トラスロッドを使ってネックの反りを調整していきます。
トラスロッドはネックのヘッド側、またはネックのボディ側どちらかにあります。
これもギターによって異なります。
サウンドハウスさんの解説動画が分かりやすいので、ご紹介しておきます。
【ネックを外すタイプ】
【ヘッドに調整穴があるタイプ】
● 順反りのとき:トラスロッドを時計回りに
● 逆反りのとき:トラスロッドを反時計回りに
※いずれの調整タイプでも上記のように回します
くれぐれも、回しすぎないように!!
45度ずつ、1日に90度まで!!
調整したら、ギターの弦を張り直してからネックの状態を確認してみましょう。
真っ直ぐな状態、または若干の順反りがベストです。
細い弦を張る
ギターの弦にはいくつかの太さがあります。
これもまた、弾きやすさに大きな影響を及ぼします。
弦の堅さによって弦を押さえるときに必要となる握力に差が生じるので、楽に押さえられるギターの方が弾きやすく感じることになります。
楽器屋でギターを購入した際、初期状態のエレキギターに張られている弦は、だいたいこれ。
D’Addario(ダダリオ)日本公式サイトより転載
ダダリオ社の「レギュラーライト」ですね。
先ほど「スケール」の章でご紹介した、ミディアムスケールのギターなどに張ると丁度良いくらいの、テンションが高めで堅めの弦です。
よって、弦を押さえるときにある程度の力を必要とします。
アコースティックギターの購入時にも、だいたい「レギュラーゲージ」と呼ばれる太さの弦が張られています。
弦の「ゲージ」を変えるだけで、あなたのギターは格段に弾きやすくなります。
私が愛用しているのは、Elixir(エリクサー)のスーパーライトです。
Amazon.co.jpより転載
「0942」と呼ばれる太さの弦です。
「09-42」や「.009-.042」と表記されることもあります。
「09」…1弦の太さ
「42」…6弦の太さ
というわけです。
これが細ければ細いほど押さえやすい。
ただしその分、音は薄っぺらくなります…
いろいろなゲージの弦を試していく中で、ご自身に合った弦を見つけてくださいね!
ちなみに、私がエリクサーを使う理由は
「錆びずに長持ちするから」です。
エリクサーは「コーティング弦」と呼ばれる弦で、弦の表面が酸化しないようコーティングが施されています。
そのため、張り換えてから3ヶ月間くらい使えます!!
値段は通常の弦の2倍程度ですが、3倍以上長持ちするのでコストパフォーマンスが圧倒的に良い!
アコギもエレキもエリクサー。オススメの銘柄です。
ピックアップの高さを調整する
これはエレキギター限定の話になりますが…
あなたのギターのピックアップの高さは適切ですか?
ギターの音を拾うマイク部分にあたる「ピックアップ」。
あまりに高い位置(弦に近い位置)にセットしてあると、ピッキングをする際に邪魔になってしまう場合があります。
ほとんどのピックアップは、ピックアップの真横にあるネジを回すことで上下に調整可能です。
ピックアップの高さはアンプから出る音に影響を及ぼします。
弦に近ければ近いほど(高い位置であればあるほど)、尖った音になり、
弦から遠ければ遠いほど(低い位置であればあるほど)、マイルドな音になります。
この音質を踏まえて、ご自身のやりたいジャンル・スタイルや好みの音に合わせつつ、弾きやすい位置に固定しましょう。
一般的には、フロントピックアップはリアピックアップよりも低めにセットされます。
ストラップの種類やストッパー
あなたが立ってギターを演奏する場合、ストラップにも気を配る必要があります。
あなたのストラップの素材は何でしょうか?
プロギタリストで布地のストラップを使っている人は少数派です。
多くのギタリストは革製のストラップを使用しています。
これは、演奏中に動いても肩から滑り落ちにくいからです。
スルリスルリと滑ってしまうと、気が散りますし、演奏に支障を来してしまいますよね?
少々値が張りますが、革製のストラップを使用することをお勧めします。
そして。
ストラップがギター本体から外れてしまうことはありませんか?
ストラップをギターに固定するストッパーがあります。
これを使用するだけで、演奏時の安定感が抜群に良くなりますよ!
金属製のものとゴム製のものがありますが、ギター回しなどのパフォーマンスをするメタラーさん以外の方は、ラバーのストッパーで十分です…(笑)
適切なセッティングで速く上達しよう
かなりのボリューム感がある記事になりましたが、ここまでご紹介した全ての項目をクリアしたギターは、かなり弾きやすい状態になっているはずです!
弾きやすいギターで練習することで、あなたのギター上達スピードは格段に上がります。
この記事で紹介してきたように、「弾きやすさ」に影響を与える要素はたくさんあります。
一つひとつ、ご自身に合ったセッティングにすることで、より快適にギターが弾けるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ただし、誤った調整をすることは、ギターの破損に繋がる場合がありますので注意してください。
難しいセッティングに関しては、無理にご自身で行う必要はありません。
楽器店に持ち込んで、スタッフと相談しながら調整してもらいましょう。
あなたのギターが弾きやすくなることで、あなたのギターライフがより充実していくことを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
犬顔犬太